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Department of transplantation technology and therapeutic development
ご挨拶
2017年8月、旭川医科大学に寄付講座「移植医工学治療開発講座」が開設され、消化器病態外科学分野 講師を兼任しつつこの講座の特任教授に就任いたしました。
本講座は、より信頼性の高い移植医療を確立するため、私が4年前、旭川医科大学消化器外科、移植外科 古川博之教授よりお誘いを受け、東京、国立成育医療研究センターで行っておりました臓器灌流保存機能再生システムの研究を北の大地で発展させ医薬理工・産学連携研究で臨床応用を目指すことを目的としています。
北海道出身で高校卒業以来長く北海道を離れ、移植外科を国内、国外で研さんしてきました。寄付講座の出資者である中央精工株式会社は北海道医療機器開発ネットワークを介した企業選びでビジネスだけではなく、人の命を救うことに情熱をもって関わりたいという志の高さ、開拓魂に心を打たれました。
100万人当たりの臓器提供者数はアジアも含めても世界最低水準の中、移植適応に迷う機能低下リスク臓器を評価して、回復させ移植可能な状態にすることで救える命を確実に救いたいという強いモチベーションがあります。
この技術は世界で特に、腎臓移植では普及しており、臓器保存学を日本に普及させることがまず第一歩です。そして回復、機能再生を目指して肝臓などの臓器へも応用していく予定です。幸い、志を同じくする研究仲間は多く、北の国から世界へ発信しつつ、挑戦する姿を次の世代の医師、研究者に見せたいと思っております。
スタッフの紹介
『若い頃の急性骨髄性白血病に対する2度にわたる造血細胞移植後の腎移植』 旭川医科大学病院 腎移植チームがプレスリリースしました。
2度の造血細胞移植による急性骨髄性白血病治療後の生体腎移植に成功し、読売新聞、北海道新聞より取材を受けました。
中央精工と共に開発した臓器保存装置がNHKにて報道されました。
旭川市の機械加工メーカー中央精工と共同開発いたしました臓器保存装置についてNHK北海道にてテレビで報道され、NHKのウェブ版にも掲載されました。
臓器の保存装置が実用化されるのは国内では初めてで大きな話題を呼んでいます。
今年の8月には仙台市の東北大学病院で、この保存装置を使った初めての移植手術が行われ、無事成功いたしました。
移植に向いている臓器かどうかを判別出来る効果があるこの臓器保存装置は、欧米では普及しています。現在の腎臓に続き肝臓の保存装置開発を進めており、移植を待っている患者様を一人でも多く救えることが期待されています。
臓器灌流保存機能再生システムの開発を中心に、医薬理工・産学連携研究で研究開発及び臨床応用を目指します。同分野は中央精工(旭川)と共同で、ドナー臓器の機能を回復させ、最適な状態で長く保存する装置を開発中です。実用化を目指し、全国の臨床系大学と多施設共同研究をスタートさせる予定です。
さらに、講座では北見工大や首都大学東京、旭川高専などと外科系医療機器関連のものづくりイノベーションも進めるほか、医学生に対してブタ臓器を使った外科手技習得の取り組みも継続的に行います。
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