HOME > 治療チーム > 消化器外科・移植外科 下部消化管グループ

消化器外科・移植外科 下部消化管グループ戻る


下部消化管グループ
チーフ 浅井 慶子

対象の病名

大腸癌(結腸癌、直腸癌)、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)、
大腸良性疾患(憩室、過長症等)小腸腫瘍等に対して治療を行っております。
その他腸穿孔(外傷含む)、腸管壊死等の急性腹症にも対応しております。

スタッフの紹介

  • 谷 誓良

  • 宮本 正之

  • 大原 みずほ

診療内容

当グループでは腹腔鏡手術を中心とした外科治療を積極的に行っております。全ての患者様に適応とはなりませんが、大腸癌手術の約80〜90%の患者様にはメリットがあり適応としております。

患者様のメリットとしては
1)傷が小さくて痛みの回復が早い
2)腸が動き出すのが早い
3)腹腔内の術後癒着が少ない

等があげられます。また手術を行う我々も、大きなハイビジョン画面に映し出される術野を手術スタッフ全員で把握しながら神経、血管を確認し操作するため従来の開腹手術より出血が少なくより精緻な手術が可能となります。

腹腔鏡手術に伴う事故例が報道され腹腔鏡手術の安全性に疑問を持たれることもあるかもしれません。
当科では保険収載とされている手術を対象としており、また患者様個々人の状況に合わせた手術選択をし、スタッフ全員でのカンファレンスの後に患者様へのインフォームド・コンセントを行って手術を施行しております。

手術の適応、方針等疑問点がございましたら外来でも病棟でもご相談ください。

大腸癌

大腸癌に対する治療指診については大腸癌研究会による「大腸癌治療ガイドライン」が作成されております。
患者様にもわかりやすく説明された「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン」も発売されています。

大腸癌に対する腹腔鏡手術の適応は胃癌とは異なり進行度等で明確な適応・不適応はありません。
基本は結腸癌(横行結腸癌、下行結腸がを除く)、早期直腸癌と記載がありますが、それ以上は十分な経験と知識を有する施設で行うこととなっております。

当科では十分な経験の元に耐術能(心・肺機能が全身麻酔に耐えられる)があり、気腹が不可能(腹腔内癒着が著しくお腹が空気(二酸化炭素)をいれても膨らまない状態)でない限りにおいてはほぼ腹腔鏡手術の適応となります。
個人差はありますが、術後入院期間は10〜14日前後です。

治療が難しいと言われる局所進行直腸癌に対しては術前化学療法を取り入れて切除不能もしくは困難な癌を小さくして根治術を行っております。今まで肛門温存が不可能であった患者様にも肛門温存が期待できる治療です。

また他臓器に高度に浸潤するような進行した癌に対しては開腹手術となることが多いですが婦人科、泌尿器科協力のもと根治術を目指しております。
残念ながら初診時の時点で他臓器への転移(肝・肺等)を認めるいわゆるstageⅣの患者様、術後再発をされる患者様がいらっしゃいます。
大腸癌は他臓器転移、再発があっても切除によって根治を望める可能性のある数少ない消化器癌です。我々は化学療法と手術療法を合わせながら常に根治を目指しております。

根治が不可能であった患者様にも最適な化学療法を行うことにより以前よりかなり長く予後が見込めるようになりました。
化学療法及び緩和医療につきましても当科及び関連施設と連携して患者様に合わせた治療を心がけております。

炎症性腸疾患

昨今、潰瘍性大腸炎、クローン病といった炎症性腸疾患は内科的な治療法が功を奏し、以前程の手術適応は多くはなくなりました。
しかし潰瘍性大腸炎の内科的治療抵抗性の方、癌を発症した方には大腸全摘術が必要となります。適応のある方には腹腔鏡下大腸全摘術を行っております。
また適応のある患者様にはJパウチ−肛門吻合という、残存する腸粘膜がない状態(発がんする腸がない)で肛門を温存することも可能です。

クローン病は小腸型と大腸型、肛門病変を有するものがあります。いずれにしても病勢コントロールは内科的治療が不可欠であり、外科治療は内科的治療に抵抗性であった場合に行います。病変のある腸管を切って繋いでもまたそこには病変が現れるため再手術率の高い疾患と言われています。それを前提に出来る限り再手術のいらない吻合(狭窄しにくい吻合)を取り入れております。

また術中に腸管から直接内視鏡を挿入し、消化器内科医による小腸の観察なども行い治療をしております。肛門病変(痔瘻・肛門周囲膿瘍)も一般的な方より複雑であり、繰り返し、やがて肛門機能(肛門をしめる筋肉・括約筋等)を失ってしまいます。

出来る限り肛門機能を温存する術式(seton法)を中心として緊急にも対応し行っております。

良性疾患

大腸憩室炎、憩室穿孔、S状結腸過長症(S状結腸捻転)等を対象としています。大腸憩室は最近の日本人に増えております。
時に炎症を起こしたり、穴が空いたりします。無症状であれば特に治療は必要としませんが、症状がある場合には治療が必要となります。

発症時に腹膜炎となってしまった場合には緊急での手術が必要ですが、部分的な炎症で収まった場合には後日待機的に腹腔鏡で手術を行うことが多いです。

2015年の手術名と手術件数

グラフ

2015年下部消化管グループ 119件
直腸癌切除 (うち腹腔鏡) 54 (50)
結腸癌切除 (うち腹腔鏡) 65 (53)